【書籍レビュー】不動産投資の嘘と真実【★★★☆☆】

書籍レビュー

【一行要約】たった一つの儲かる方程式は、「新築・●●●●●●」×「主要駅10分以内」

不動産投資の嘘と真実:辰岡泰文

「絶対に儲かる」を嘘ではなく
真実として告げられる不動産投資はないのか
という視点で、著者が書き上げられた不動産投資書籍です。

営業マンというのは、
その商品が正しいからセールスのではなく
セールスしないと給料がもらえないからセールスする

という実態が正しいと思います。

しかし、著者は自分なりの思考と検証を繰り返し
上記の方程式に行き着き、代表として
その商品に特化した不動産事業を行っています。

それが必ずしも成功を確約するものではないですが
「なぜその結論に行き着いたのか」
については非常に示唆に富んだ一冊といえるでしょう。

王道物件は儲からない

新築区分:資産価値がなくて、すぐにキャッシュアウトする

・売価が原価の2倍程度に下落することも珍しくない(→営業マンの報酬として還元)
・空室リスク、修繕リスクの発生などでいともたやすくキャッシュアウトする

中古区分:不動産会社と金融機関がグルになった無限ババ抜き

・新築区分3戸購入した投資家が、10年後に返済に行き詰まるた場合、
 金融機関→販売業者に格安での買取を指示(高い金利+売却で十分な利益確保)
 不動産会社→簡単なリフォームを行って1500万で別の投資家に販売

新築木造一棟:資産価値低下で出口がなくなる

・経年劣化が早く、法定耐用年数が短い
・遮音性が低く、居住者のストレスになる
・断熱性、機密性が低い
・耐震性、耐火性の観点で災害リスクが高い
・保険料が高い
・法人契約されづらい
・競合物件に埋もれやすい

木造中古:ローン返済期間が短く、買い手がつきにくい

・法定耐用年数が短くなるため、次の買い手の絶対数が少ない
・木造物件の価格は決して安くない(価格は、利回りベースで決められるため)

RC造一棟:物件はいいが利回りが低すぎる

・防音性能、断切性、機密性も高く、災害にも強く断然品質は高い
・保険料も安く、経年劣化が少ないので資産価値が目減りしづらい
・いざ購入したときの利回りの低さでキャッシュフローが回らなくなるケース多い

地方一棟買い:事情を知らずに罠に落ちる

・札幌の徒歩8分は決して駅近ではない(3分以内)
・除雪費などの地方特有の必要経費があり、管理しづらく結果コストが高くつく
・「購入してすぐは順調に入居者がついたのに、気がつくと空室だらけ」が多発
・いざ売却しようにも、土地値が低く、入居率が低く、資産価値が大幅に低下

理想の物件を買えるのは資金力のある投資家だけ

・そもそも、優良物件は完全な売手市場
・一般の投資家が購入できるのは「そこそこの物件」もしくは「ダメ物件」
・資金力がなく、単発の取引で終わってしまう投資家は「カモ」扱い
・投資コンサルタントは高い情報料でダメ物件を押し付けてくる
・彼らはレインズから物件をテキトーに見繕い、高額のコンサルティング料で稼ぐ

不動産投資の勝ち負け基準

①税引後のキャッシュフローがプラスか
②残債を上回る価格で物件を売却できるか(築後15年までの売却を推奨)
③絶対安全圏は表面利回り8%(表面利回り7.65%で、税引後手残り2%弱)

儲かる方程式:「新築・重量鉄骨造」 × 「主要駅10分圏」

①主要駅までの乗車時間が10分以内、徒歩10分圏内
 └物件選びの最重要項目であり、プロの工夫と努力による仕入れが必須
②建築コストと品質のバランスがいい重量鉄骨造
 └建築費と居住性、耐久性のバランスに優れた構造
③新築物件
 └中古が新築に勝るのはコストだけ。利回り8%以上であるなら新築が有利

※利回り8%以上に関しては、こちらの記事も参考になります
関連記事:【書籍レビュー】確実に儲けを生み出す 不動産投資の教科書【★★★☆☆】

<重量鉄骨造の7つのメリット>
①RC造に匹敵する高い居住性
②高耐火性能
③高耐久
④熱効率に優れている
⑤騒音対策ができている
⑥家賃下落率が低い
⑦買手が付きやすい

平均家賃の推移

個人投資家が勝つための2つの条件

条件①:年収1000万以上
    └本当に勝てる物件は資金力のある人にしか買えない
     自己資金を賄える投資家であればキャッシュフローは好転し負けない
条件②:入念な物件購入準備ができている
    └目標設定と融資の準備、知識の取得も必須
     優良物件は稀少であり、物件購入を見送った客に次のチャンスはない

売却は築10〜15年目がベスト

・築10年を過ぎたら5年後までの売却に向けて準備を進める
 相場がよくなってきたタイミングを逃さないことが重要


<売却すべき理由>
①大規模修繕の必要性が高まり、必要経費がかさむ
②設備の償却が終わるため課税負担が拡大し、フリーキャッシュフローが減少する
③物件の劣化が進み、管理コストがかさむ
④空室が増加し、家賃収入が低下する
⑤次の買い手の融資返済期間が短くなる
⑥積算価格が低下し、担保価値が小さくなる
⑦物件の売却価格が低下する

大勝ちするなら複数棟保有せよ

・基本的な購入プランとして推奨するのは、5年で3棟の保有
・購入と売却のサイクルを繰り返すことで資金的メリットと投資家スキルがあがる
 ①フリーキャッシュフローの増大
 ②他の物件のマイナスをカバーできる
 ③エリアの需給バランスの変化に対応できる
 ④資金的な余裕で広告費をかけられるようになる

【まとめ】不動産投資における勝てる条件を把握しろ

・タイトルの正解は、「重量鉄骨造」
・非常に興味を持ちましたが、商圏が大阪なのが惜しい。
 東京でも同じスキームを実現してもらえるなら俄然検討したいです

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