【結論】吉祥寺のまちづくりテーマは、●●●
吉祥寺のまちづくりのコンセプトブックが刷新されました。
今回はその中から、
吉祥寺の魅力部分を紹介していきます。
グランドデザインとは
改訂委員や地域住民から選抜されたメンバーたちが集い、
エリアワークショップなどの活動を通して
30年後の中長期を展望したまちづくりの方針を示したものです。
吉祥寺の場合、
旧グランドデザインから10年が経過し、
まちを取り巻く問題点・課題や
社会潮流に対応したまちづくりを掲げるため
今回刷新したという経緯になっています。
吉祥寺の強み・良さ
・交通利便性の高さ
・吉祥寺への愛・誇り
・歩いて楽しいまちの先駆者
・周辺エリアごとの個性と、まち全体で醸し出す「吉祥寺らしさ」
・商業エリアを囲む上質な住宅地
・自然・緑が近くにある
吉祥寺の課題・問題点
・建物更新の停滞
・地価の急激な上昇
・歩行環境・滞在環境の悪化
・交通問題の経済(南口のバス交通等)
・景観に対する配慮
・情報発信力の弱さ
特筆すべきは、地価上昇です。
・路線価は、5年で約1.5倍
・それに伴い固定資産税、テナント賃料負担の増加
・個店の出店が厳しくなり、テナントの多様性が鈍化する
住みたいまちランキング3位といっても
必ずしも安泰とは限らず、
常に持続的競争優位な進化を遂げられるかが課題といえそうです。
コンセプト
「○○するなら吉祥寺」「吉祥寺といえば○○」という
各人の思い、出来事、情景の積み重ねにより、
「また来たくなるまちづくり」を掲げています。

まちづくりのテーマ
ずばり、「界隈性(かいわいせい)」です。
一見難しい響きですが、界隈(かいわい)は、「その辺り」という意味で使われていて、
「渋谷界隈」など、日常的に使われてることばです。
「界隈性」という単語は建築や、不動産業界での専門用語です。

ヒト・モノ・コトに出会い、発見する
・個性的な店舗が存続できる環境作り(吉祥寺の商業文化の継承)
・界隈性・スケール感の継承
・まちの歴史・遺伝子の再認識・再発見
・住宅との調和・共存
・来訪者が発信したくなるコンテンツに出会うための環境整備
・各エリアの個性発揮と連携
・夜に人が居る環境づくり
・新たな文化拠点の形成
・新しい就業環境整備
・多様な賃料の床を提供
昨今のテレワーク事情も受けて、
今後「働きやすいまち」は、重要視されるはずです。
ここで掲げられているアイデアは、
・ビル上層階の空室を活用して、テレワーク拠点やシェアオフィスの整備
・職住一体型の賃貸住宅の可能性
・新たなビジネスチャレンジの場の創出
なるほど、面白いですね。
もし、この就業視点でのブランドパーセプションを獲得できるかが、
人気都市として発展していけるかの試金石になると言えそうです。
住みたい + 働きやすい = 吉祥寺
歩いて楽しむ
・交通結節機能の再編による交通環境改善
・物流の再編
・交通規制による車両乗り入れ制限
・駐車場の外周道路への集約配置
・案内、サインの整備・充実
・電線類地中化による歩行環境整備
・滞留空間の確保
・駅から井の頭公園までの道のりのデザイン、整備
・新たな名所、街並みの創出
心地よく過ごす
・人と人とのつながり
・建物の補強、リノベーション
・条件に適した建物更新等
・バリアフリーの徹底
・多言語での情報発信
・災害時の安全対策・帰宅困難者への対応
・長時間の滞在を可能にする仕掛け作り
・緑の創出、景観への配慮
・街全域での快適で切れ目のないインターネット環境の整備
エリアワークショップでのキーワード
ワークショップで発言された吉祥寺を表すキーワードを紹介しておきます。
吉祥寺の良さ、将来まで大事にしたいこと
・吉祥寺への愛、誇り
・にぎわい
・多様性
・つながり
・祭り、イベント
・ちょうど良い、身の丈
・コンパクトさ
・ごちゃごちゃ感
・公園、みどり
・住宅街
・治安
吉祥寺の魅力は、何事も「真ん中な感じ」にあるのかもしれません。
中国古典における道徳的規範でも、
「中庸」(極端な行き方をせず穏当なこと)
を大事にすべきであると説かれています。
適度なにぎわい+コンパクトさ+ごちゃごちゃ感
▼
ちょうどよい、身の丈の心地よさの実感
▼
吉祥寺への愛
吉祥寺が克服すべきこと
・知名度先行
・情報発信
・停滞感
・高い地価、家賃
・店の入れ替わり、店舗構成の偏り
・オフィス、ホテル不足
・交通(バス、混雑等)
・防災(耐震性等)
・ちょっとした休憩所
・景観
そして、まだまだ課題も浮き彫りになっており
特にこのイメージとの格差を埋められないと
まちとしてはこれ以上の発展は望めなくなり、
むしろ、これからの少子高齢化の社会においては衰退さえ考えられます。
知名度(イメージ)>実態(現実)
の乖離が、さらに広がってきている
【まとめ】市民が担う理想と、主導する行政の連携こそが、生き残りの道
・キーワードの正解は、「界隈性」
・「○○したくなるまち」を掲げるからには、最後は推進力が勝負の分かれ目
・住みたくて、働きやすいまちな都市を目指すべし
コメント