【一行要約】物件を買う前に、建物の●●をみて、物件維持費がどのくらいかかるか、きちんと確認すべし
一級建築士の大家が教える 儲かるアパートの選び方:戸田匠
・一級建築士
・一級建築施工管理技師
・一級菅工事施工管理技師
・宅建士
の国家資格をもつ、
サラリーマン兼不動産投資家である
建物のプロが「建物」に着目した
不動産投資の本です。
儲かるの定義として、
立地、利回りや価格で判断しますが、
収益を叩き出すのは「建物」であり、
ここは素人で判断するのが、
なかなか難しい領域でもあります。
ただ、プロの視点を余すことなく
紹介している良書です。
儲かるアパートの条件
重要なひび割れがない
・重要なひび割れがない
└爆裂に注意

・外壁の塗装とタイルに注目
└コンクリート打ちっ放しは、躯体が痛みやすい
└(見た目、頑丈さ)タイル>塗装。修繕費もかかるので注意
・雨漏り
└大雨、台風など自然災害をきっかけに発覚するケースが多い

築年数が古すぎない
・RC造の具体的な狙い目
①築25年未満
②大規模修繕を5年以内に完了
③大きな不具合が見つからない
④満室利回りが十分に確保出来る
→これらの条件満たせば、空室多くても買い!
・逆に買ってはいけない物件
└古すぎて、リフォームコスパの悪い物件
バランス釜風呂・高架水槽など
└1981年以前の旧耐震物件
→土地値以下なら検討の余地あり

建築当初の書類が残っている
・2000年以前の物件は、完了検査物件は半分以下!
①着工前:確認済証
②工事中:中間検査合格証
③工事完了:検査済証(→特に大事!)
・設計図書があると、大規模修繕に便利
修繕履歴が明確である
・修繕時期の目安を把握しておく
・エレベーターは莫大な費用がかかるので注意

優良な建築業者が施工
・建設許可業を取得している
・手抜きされやすい工事
└コンクリート打設後の養生をしない
└塗装時の塗料を薄くしたり、塗り回数省略
└床下、天井裏の清掃をしない
└施工時のミスによる傷を直さない
大地震でも倒壊しない
・1Fが駐車場スペースの物件は脆い

・デザイン重視よりも耐震重視
・「丈夫な建物」という仲介業者の売り文句を鵜呑みにするな
土壌に難がない
・致命に刻まれた自然災害のリスク

・液状化現象や地盤地下による傾きは致命的
└支持杭が硬い層に達していれば液状化にも強い
→土入れなどで対処でき、検討に値する可能性も
・ガソリンスタンドと工場跡地は注意
有効活用できるスペースがある
・デッドスペースを駐車場に活用する
・太陽光、ドッグラン、看板収入
金食い虫となる余計な設備がない
・エレベータ
└メンテナンス費、電気代はまだしも修繕あると破滅
・浄化槽
└年間維持費最低10万、公共下水道への切替も視野に
・オートロック
└高齢者にはそもそも不要
中古RC10戸のアパートに追加すると300万以上!
現地に行かなくても良い物件が探せる方法
・物件概要書の見方
└超わかりやすいのでこれは保管もの!




・線路沿いは騒音や振動で入居付けに苦労する
・海に近い物件は金属が錆びやすい
・川の近くの物件は氾濫の可能性がある
物件情報はここをみる
【★★★】絶対チェック
・地盤沈下
└マンホール周辺は地盤沈下に注意
・塀や柵
└旧耐震物件は特に注意が必要
・ヒビ割れ
└クオカード入るのはNG、基礎のヒビもダメ
・天井からの水漏れ
└雨漏り、結露、配管からの水漏れの可能性
雨漏り→外壁に大きなヒビ割れがある
結露 →構造的な問題、原因究明必須
水漏れ→複数の配管の場合はパスすべき
・給水関係
└交換やメンテ履歴で判断
給水ポンプは15年間交換していないと壊れる
・下水関係
└浄化層物件の維持費は年間10〜15万
公共下水道への切り替えも検討すべき
【★★】要チェック
・植栽・樹木
└敷地内にないほうが収益的にはよい
・駐車場のアスファルト等の舗装の状態
└20年すると傷むため、大規模修繕対応必要
・未使用地
└有効活用することで収益UPの可能性も
(トランクルーム、駐車場、バイク置き場など)
・コーキング/チョーキング
└外壁再塗装(10〜15年)でやり直す
・階段の水たまり
└排水口に水が流れるよう勾配が足りない
・屋上防水
└水たまり、雑草。専門家によるチェックも必要
・天井
└シミがあれば、雨漏りか配管漏れを疑う
【★】あまり気になくてもOK
・境界杭
└境界確定図があれば問題なし
・雑草
└印象の問題、綺麗に刈れば問題なし
・カビ・汚れ
└高圧洗浄するればキレイになる
・ヘアークラック
・粗大ゴミ
・金属サビ
・床掃除
物件確認チェックリスト

完璧な物件は存在しない
・見た目は悪いが、修繕やリノベをすれば生まれ変わる物件を手にいれることが大事
・士業のプロには、躊躇なく報酬を払う
新築物件時の施主検査は大事
・重箱の隅をつつくようにチェックする

【まとめ】建物にも興味を持ち、きちんと判断するポイントを養うことが大事である
・タイトルの正解は「状態」
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