【書籍レビュー】一級建築士の大家が教える 儲かるアパートの選び方【★★★☆☆】

書籍レビュー

【一行要約】物件を買う前に、建物の●●をみて、物件維持費がどのくらいかかるか、きちんと確認すべし

一級建築士の大家が教える 儲かるアパートの選び方:戸田匠

・一級建築士
・一級建築施工管理技師
・一級菅工事施工管理技師
・宅建士

の国家資格をもつ、
サラリーマン兼不動産投資家である
建物のプロが「建物」に着目した
不動産投資の本です。

儲かるの定義として、
立地、利回りや価格で判断しますが、
収益を叩き出すのは「建物」であり、
ここは素人で判断するのが、
なかなか難しい領域でもあります。

ただ、プロの視点を余すことなく
紹介している良書です。

儲かるアパートの条件

重要なひび割れがない

・重要なひび割れがない
 └爆裂に注意

・外壁の塗装とタイルに注目
 └コンクリート打ちっ放しは、躯体が痛みやすい
 └(見た目、頑丈さ)タイル>塗装。修繕費もかかるので注意

・雨漏り
 └大雨、台風など自然災害をきっかけに発覚するケースが多い

築年数が古すぎない

・RC造の具体的な狙い目
 ①築25年未満
 ②大規模修繕を5年以内に完了
 ③大きな不具合が見つからない
 ④満室利回りが十分に確保出来る
 →これらの条件満たせば、空室多くても買い!

・逆に買ってはいけない物件
 └古すぎて、リフォームコスパの悪い物件
  バランス釜風呂・高架水槽など
 └1981年以前の旧耐震物件
  →土地値以下なら検討の余地あり

建築当初の書類が残っている

・2000年以前の物件は、完了検査物件は半分以下!
 ①着工前:確認済証 
 ②工事中:中間検査合格証
 ③工事完了:検査済証(→特に大事!)
・設計図書があると、大規模修繕に便利

修繕履歴が明確である

・修繕時期の目安を把握しておく
・エレベーターは莫大な費用がかかるので注意

優良な建築業者が施工

・建設許可業を取得している
・手抜きされやすい工事
 └コンクリート打設後の養生をしない
 └塗装時の塗料を薄くしたり、塗り回数省略
 └床下、天井裏の清掃をしない
 └施工時のミスによる傷を直さない

大地震でも倒壊しない

・1Fが駐車場スペースの物件は脆い

・デザイン重視よりも耐震重視
・「丈夫な建物」という仲介業者の売り文句を鵜呑みにするな

土壌に難がない

・致命に刻まれた自然災害のリスク

・液状化現象や地盤地下による傾きは致命的
 └支持杭が硬い層に達していれば液状化にも強い
  →土入れなどで対処でき、検討に値する可能性も
・ガソリンスタンドと工場跡地は注意

有効活用できるスペースがある

・デッドスペースを駐車場に活用する
・太陽光、ドッグラン、看板収入

金食い虫となる余計な設備がない

・エレベータ
 └メンテナンス費、電気代はまだしも修繕あると破滅
・浄化槽
 └年間維持費最低10万、公共下水道への切替も視野に
・オートロック
 └高齢者にはそもそも不要
  中古RC10戸のアパートに追加すると300万以上!

現地に行かなくても良い物件が探せる方法

・物件概要書の見方
 └超わかりやすいのでこれは保管もの!

・線路沿いは騒音や振動で入居付けに苦労する
・海に近い物件は金属が錆びやすい
・川の近くの物件は氾濫の可能性がある

物件情報はここをみる

【★★★】絶対チェック

・地盤沈下
 └マンホール周辺は地盤沈下に注意
・塀や柵
 └旧耐震物件は特に注意が必要
・ヒビ割れ
 └クオカード入るのはNG、基礎のヒビもダメ
・天井からの水漏れ
 └雨漏り、結露、配管からの水漏れの可能性
  雨漏り→外壁に大きなヒビ割れがある
  結露 →構造的な問題、原因究明必須
  水漏れ→複数の配管の場合はパスすべき
・給水関係
 └交換やメンテ履歴で判断
  給水ポンプは15年間交換していないと壊れる
・下水関係
 └浄化層物件の維持費は年間10〜15万
  公共下水道への切り替えも検討すべき

【★★】要チェック

・植栽・樹木
 └敷地内にないほうが収益的にはよい
・駐車場のアスファルト等の舗装の状態
 └20年すると傷むため、大規模修繕対応必要
・未使用地
 └有効活用することで収益UPの可能性も
 (トランクルーム、駐車場、バイク置き場など)
・コーキング/チョーキング
 └外壁再塗装(10〜15年)でやり直す
・階段の水たまり
 └排水口に水が流れるよう勾配が足りない
・屋上防水
 └水たまり、雑草。専門家によるチェックも必要
・天井
 └シミがあれば、雨漏りか配管漏れを疑う

【★】あまり気になくてもOK

・境界杭
 └境界確定図があれば問題なし
・雑草
 └印象の問題、綺麗に刈れば問題なし
・カビ・汚れ
 └高圧洗浄するればキレイになる
・ヘアークラック
・粗大ゴミ
・金属サビ
・床掃除

物件確認チェックリスト

完璧な物件は存在しない

・見た目は悪いが、修繕やリノベをすれば生まれ変わる物件を手にいれることが大事
・士業のプロには、躊躇なく報酬を払う

新築物件時の施主検査は大事

・重箱の隅をつつくようにチェックする

【まとめ】建物にも興味を持ち、きちんと判断するポイントを養うことが大事である

・タイトルの正解は「状態」

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