【書籍レビュー】確実に儲けを生み出す 不動産投資の教科書【★★★☆☆】

書籍レビュー

【一行要約】買主は、不動産投資という事業を行う●●であれ

確実に儲けを生み出す 不動産投資の教科書【★★★☆☆】:姫野秀樹

・「消費」、「貯蓄」、「投資」の定義に敏感であれ
・「投資」とは、お金を貯めた後で、元手以上になるお金の使い方である

元コンサルタントの著者は、
不動産投資におけるスタンスや、定義をビシッと整理します。

また、著者は断言します。

不動産投資において、手っ取り早く楽して儲かる手段はない

だからこそ、この本を通して、
「再現性」を確立していくことで、
真面目にコツコツ努力することが報われる取り組みを掲げています。

目標設定から始まる

・理由を明確にすることで、その目的に最も適した物件を購入するための
 具体的な行動が決まる
・As-IsとTo-Beを明確にしてギャップをあぶりだす
 <As-Is>
 ・金融資産(預貯金、株、FX、保険等)
  →この中から不動産投資に最初に使える資金
 ・世帯年収、世帯年収の中から毎年不動産投資に使える資金
 ・所有している不動産の購入価格と残債
 ・担保となる不動産の評価額
 <To-Be>
 ・毎年不動産投資からいくらの税引後キャッシュフローが欲しいか
  →税引後CF:1200万円の場合、約4〜4.8億円が目標規模

目標エリアを設定する

・都道府県人口増加率、市区町村別人口増加率(30万人以上)で確認する
・立地と利回りのバランスがよい辺縁を狙う
 <東京>
 ・大田区、杉並区、練馬区、板橋区、北区、足立区、葛飾区、江戸川区
  ※(一部地域で該当)新宿区、中野区、豊島区、荒川区、江東区
・需給バランスが大事。エリアに住みたい人(需要)とエリアに存在する物件(供給)
 ※そのヒントになるのは田畑の有無。宅地転用可能な農地が多いと値崩れリスクあり
・初心者は安定的にキャッシュフローを稼ぎ出す中古から始めたほうがよい

パートナー選びの条件

・最終的にはその業者さんに会って会話し、確かめる(足で稼げ)
・責任感がり、依頼されたことをきちんと実行してくれる仕事力をもつ担当者
・認識が合うもの提案してくれる(毎回、同じ担当者と探すのがよい)

金額別の3つの戦略

①小規模な戸建・アパート

・23区内の1000万以下の戸建、東京近郊の2000万前後のアパート
・(メリット)融資がつかなくてもはじめられる、積算と利回りのバランスよい
・(デメリット)労力の割にCF少ない、業者が消極的

②中規模木造アパート

・23区・東京近郊の3000〜6000万前後のアパート
・(メリット)自己資金が少なくて済む、それなりのCFが得られる
・(デメリット)競争が激しい

③大規模アパ・マン

・23区・東京近郊の7000万超のアパート、マンション
・(メリット)競争が緩やか、利回りがやや回復
・(デメリット)自己資金が多く必要

初年度目標設定の例

・明確に、でもあまり絞り込みすぎずないことが重要

<例>
・金額規模:1000〜3000万
・エリア:東京23区、東京最寄りの千葉、東京寄りの埼玉
・購入する物件:23区内の戸建、埼玉の木造ファミリータイプアパート(駐車場付き)、千葉の4〜6部屋のシングル向け(駅から徒歩10分前後)
・利回り:(23区内)8%以上、(千葉・埼玉)10%以上

最低限のスペック

一都三県の辺縁とした場合、
著者は明確に答えを出しています。

・再建築OK
・所有権
・利回り8%以上

これすなわち、

・1000件の物件情報を見て
・30件の現地調査をして
・3件の買い付けで
→ようやく1件、購入できる

ステップ1:絶対に買ってはいけない三大NG

①借地権(所有権の3割しか評価が出ず、融資がつかない)
②市街化調整区域(建物建てるのNG)、非線引区域(国が都市計画しないエリア)
③再建築不可(資産価値がゼロ、融資がでない)
 ※43条但書(役所に許可をもらえれば再建築可能な物件)も避けるべき
・セットバック及び告知事項については条件次第

ステップ2:利回り8%未満は対象外

・満室稼働の都心部あれば、「表面利回り」
・常時空室が存在するエリアでは稼働率を加味した「稼働表面利回り」
 ※現在の入居数ではなく、物件周辺エリアの平均稼働率をもとに計算
・路線価➗0.8で「実勢価格」を算出し、物件売却価格の最低ラインを把握しておく
・8%未満は、その借金を背負うリスクに対して十分なリターンを得られない
 ※実際は8%でも不十分だが、交渉で利回りをあげたりできることも加味して設定

「土地値割合」を知る

・土地値割合は、その物件に対して、真の価値の何倍の値段がつけられているかの指標
・土地値割合=物件価格➗物件の実勢価格
 1.0倍未満:超優→買った瞬間含み益
 1.0~1.2:優→ほぼ土地値、買った値段で将来売却できる可能性高い
 1.2~1.5:良→土地値割合が高いので、、B/S評価高く、融資出やすい
 1.5~2.0:可→融資がギリギリ出る。間違いではないが、もう少し土地値ほしい
 2.0~:不可→よほどの好立地以外は避ける
・将来的にゼロになる建物価格は加味せず、
 純粋に土地として売却可能な金額を逸脱しない買値で購入することが、
 不動産投資におけるリスク回避の方法である

不動産屋に聞いてよいこと、悪いこと

・その情報が本当に活かせるのか、次のアクションにつながるのか
<良いこと>
・セットバック面積
・再建築不可の物件の状況
・レントロール(各部屋の家賃)
・修繕履歴(買い付け申し込み後)

<聞かないほうがよいこと>
・売主の個人情報
・物件を売る理由
・住民の個人情報

不動産投資における「よい物件」の定義

・商品そのもののポテンシャルや相場と比較して「割安」であること
・競争力とは、「割安」な価格で買えたかどうかで決まる

金融機関にしてはいけない3つのこと

・だましてはいけない
・評価を信用してはいけない
・心を許してはいけない

【まとめ】戦略を策定し、情報の非対称性をなくすことで成功に近づく

・タイトルの正解は、「プロ」
・かなり丁寧に書かれた一冊なので、客観的な取り組みについての網羅性はあります

コメント

  1. […] […]

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